Custom Yacht Project
ー カスタムヨットプロジェクトー




造船所訪問 

造船所の現場で見たこのヨット、驚くべきは、全てを一体化させているという
事です。それはボルト/ナットによる接合では無く、全てをハルとデッキに積
層して、バキュームをかける。この手間はかなりなものです。全てのバルクヘ
ッド、ストリンガー、チェーンプレート、家具類、全部やります。さらに、ハルと
デッキの接合も、内部からと外部からと両方から積層していきます。
通常のパテやボルトナットは全く使わない。この一体化がもたらす船体の剛
性の高さがセーリングに実に滑らかさをもたらします。



メトゥアヨット、決して近代的な洗練された造船所ではありません。しかし、世界的
に有名なデザイナー、アンドレイ・フック氏は造船所で判断すべきでは無い、そこか
ら出てくるヨットを吟味して判断するべきだと言います。彼は、自分自身の為の
ヨットを、この造船所で2艇建造している事からしても、解りますね。




ハル上部は外皮の様に白くはありません。何故残してあるか? これは、デッキを
被せた時に、デッキとハルの接合において外部と内部から積層し接合する為です。
そうすると、積層後、またサンディングして云々という手間が、その後当然かかり
ます。でも、その方が絶対良い。



ストリンガーはカーボン、全てのバルクヘッドはフォームサンドイッチで、船底とデッキ
に積層し、バキュームがかけられています。



キール周りやラダー周りは既存のフォーム材を撤去して、カーボンを積層、さらに
カーボン製のストリンガーを積層/バキュームをかけています。



マストを支えるステイは、チェーンプレートに繋がります。非常に大きなすトレスが
かかるわけですが、それを支えるチェーンプレート、カーボン製です。もちろん、ハル
に積層されます。兎に角、全てが積層/バキュームがかけられます。



バウスプリットを下から支えるステンレス製のボブステー、この後、下の様になります。



この後積層して、もちろんバキューム圧着です。そしてサンディング。
兎に角、全てを一体化させて、全体の剛性を図る。そういうヨットです。
さて、次は、デッキに行きましょう。


2020年11月 8日



以降、建造と供に更新していきます。

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